2010年5月1日。
5月の晴天の日、抱樸館福岡の開所式が行われました。
あの日の光景は、今でも鮮明に覚えています。

たくさんの方々が集まり、熱気と期待に包まれていました。
「ホームレス状態にある人が、もう一度自立できるチャンスをつくろう」
その一心で、私たちはこの場所を立ち上げました。
「やっと、ここまで来た」
あの時の喜びと、身の引き締まるような思い。それが私たちの原点です。
あれから、16年。
これまでに1,700人を超える方々がこの場所を通り、
多くの方が再び、地域での新しい生活へと歩み出していきました。
福岡の街を見渡すと、路上で過ごす方の姿は格段に少なくなりました。
けれど、問題がなくなったわけではありません。
むしろ、社会の困りごとは、より複雑に、そして「見えにくいもの」へと変化しています。
無縁社会、孤独・孤立、格差、子どもの貧困、ごみ屋敷、ひきこもり、孤独死……。
「まだ家はあるけれど、もう限界です」という相談が多くなっています。
また、かつてここを卒業した方々も、16年という月日を経て高齢になられました。
60代だった方は70代に、70代だった方は80代に。
一人暮らしが難しくなった方の介護保険申請や、老人ホームへの住み替えをお手伝いする日々。
私たちの支援は、今や「家族の代わり」としての役割も担っています。
時代が変われば、悩みも変わります。
でも、私たちのやるべきことは変わりません。
抱樸館につながったすべての人たちが、
「生まれてきてよかった」と思えるような、幸せな人生を歩めるように。
私たちはこれからも、一人ひとりの人生に「伴走」し、歩み続けていきます。
この16年、支えてくださったみなさま。
本当にありがとうございます。
そして、これからも。
私たちの歩みを、一緒に応援していただけたら嬉しいです。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。